Tuesday, February 21, 2006

クラシックコンサート と 子ども

 "The President's Own" という、アメリカ大統領おかかえのオーケストラコンサートに行ってきました。彼らは、ホワイトハウスで各国、要人の宴に演奏するのが、基本的な仕事ですが、その他、時間のある限り、近隣の公会堂で無料市民コンサートを開いてくれています。なにしろただで、プロのクラシックコンサートを聞けるのですから、地元民にはとても人気があります。月1回、日曜日の2時からなので、中高年のカップルも仲良く手をつなぎ、音楽鑑賞を気軽に楽しみます。また、このコンサートは子どもの年齢制限もなく、どんなに若くても(赤ちゃんでも)入場が許されます。

 さて、今日は、子どもたちが、こういった大人の世界にどのように参加していくか・・という話を書きます。

 まず、今回の場合、演奏曲の1つに Richard Strauss 作曲の Concertino for clarinet and basoon, というものがありました。お姫様 (クラリネット) が森でひとり、美しい声で歌っていますと、その美しさに惹かれて、熊がのそのそと出てきます (バスーン)。はじめは、これに大変びっくりしたお姫様でしたが、陽気な熊に惹かれ、だんだん一緒に楽しく踊りだすという物語になっています。大人は、コンサートが始まる前に、それぞれの子どもたちに「お姫様はどんなドレスを着ているかしら?」「森の木々の向こうから、うさぎが跳びはねてきたわ!」とか、いろいろに話しかけて子どもたちがどんどん音楽(想像)の世界に入っていき、音楽を主体的に楽しめるように、助けるわけです。また、クラリネットとバスーンの音色の違いに耳を傾けるように話したりします。そういった意味で、周りの大人は、子どもたちが一見大人の世界であるクラシックコンサートを楽しめるようにと努力を惜しみません。
 しかし、反対に演奏中に話をしたりすることは、いくら幼い子どもでも許されません。かならず、大人(親)は、その子の手を引き、静かに、でも、さっさと退席します。そして、会場の外で、きちんと何がいけなかったを子どもに説明しています。あまり感情的に声を荒げたりせず、でも、"I am very disappointed with you." (あなたの行動には、とてもがっかりしたわ。)と低い声で子どもの目をじっと見て、話して聞かせます。その後、静かにすると約束して、会場に戻る場合もありますし、「今回は(お行儀よくするという)約束が守られなかったのだから、残念だけど帰りましょう。」と そのまま帰路につくこともあります。
 愛情をおしみなく与えつつ、でも、しめるところはきちんとしめる、アメリカ流の子育て。わたしはとても共感しますし、好きなのです。
 皆さんは、いかがでしょうか。

"The President's Own" United States Marine Band の活動は
 http://www.marineband.usmc.mil/ でご覧になることができます。

1 Comments:

Anonymous Anonymous said...

Hmm I love the idea behind this website, very unique.
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9:40 PM  

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